私は最近彼と別れた。

別れを決意する前、私は彼のことを家族のようだと思った。
決して私を傷つけるようなことはしない。私を第一に考え大切に守ろうとしてくれた。体力のない私を気遣い、私のペースに合わせてくれた。
でも、息苦しかった。

彼にはたくさんの交友がある。私からしたら遠い存在の方々と仲が良い。誰と会った、話した、仕事した。違う世界の出来事を聞いているようだった。遠いなぁ…と思った。一体私は誰と何を話しているんだろうと思うことすらあった。

何をしても、何を言っても優しく見守ってくれる彼。
苦しいよ…。
何を求めるの何を見るの何を期待するの何を思うの…。
私には、何もないよ。全てが“普通またはそれ以下”なんだよ。
屈託のない、信じきったその瞳で私を見ないで…。

私は彼を尊敬している。
若い時を苦労して過ごし、今の職について皆の厚い信頼を受け、内容の濃い仕事をしている。信頼を集めるのは容易なことではない。彼の人柄がそうさせるんだろう。彼の一声でどれだけの人が集まることだろう。すごい人だ、と思う。
充実した仕事は日々を忙しくさせた。眠る時間も減っている。土日も仕事が入る。今後のための道を作っておきたい彼は断らない。もちろんそうするべきことだ。
…でも。すれ違いが続く。彼が一息入れられる時間には私は睡眠をとる。電話があっても翌日に響くためほとんど話さない。メールを送っても返事があるのは数時間後。彼からはほとんど送られてくることはなかった。

仕事だから。理解しなければ。我慢だよ。

彼に言えないのなら、友達に頼ってもいいかな。
暇なの、寂しいの、そばにいて…。
彼女達はすぐに返事をくれた。声をくれた。笑ってくれた。暖かかった。
私はもう寂しくなかった。
気付くと、そばにいて抱きしめてくれる人がいた。
私はもう一人じゃなかった。
彼に連絡をしなくなった。

別れ話を切り出した私に、彼は悲しそうに言った。
「俺が頑張れたのは、君が支えになっていたからなのに」
また、苦しくなる。
私に何を期待していたの?
私は寂しかった。苦しかった。泣きたかった。暖かさが欲しかった。
「気付いてたよ」という。
気付いていたならどうして…?
同僚とご飯を食べに行った豪邸を見に行った久しぶりの人と会った。その中に私はいなかったね。

私を支えていたのはあなたじゃなかった。
あなたは私の支えにならなかったよ。

サヨゥナラ。

私を理解してくれて、大切にしてくれてありがとう。
あなたは本当にいい人だった。
あなたは尊敬すべき人だった。
でも、私は時に息苦しかった。
寂しかった。

サ・ヨ・ゥ・ナ・ラ・・・。

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